荒川製作所の「スラット式バンドドライヤー」は、コンベヤ上の製品間に毎秒1m前後の低風速熱風を通過させることで製品を乾燥させるドライヤー。焼成や焙煎前の水分・温度調整、低温長時間乾燥、予備乾燥に使用できる。強風を当てると形が崩れる商品や、高温で色が褐変する恐れのある商品、例えばナッツやペットフードなどに最適だ。コンベヤに採用しているスラットプレート（パンチング穴の開いたステンレス板）は、ネットタイプのメッシュベルトよりも破損が少なく、水洗いできるためメンテナンス性も高い。オプションのコンベヤ洗浄機で稼働中に洗浄・乾燥もできる。また、スラットプレートとサイドプレートがそれぞれ分離可能なので、コンベヤの整備や破損修理は該当箇所のみで済む。同社はパンチング穴の形状で乾燥製品ごとに最適な風の流れをつくり出せるノウハウを持ち、最適な処理条件に合わせた設計による省力化、熱風を機内循環させエネルギー効率を高めることによる省エネも実現している。

「連続式通気乾燥テスト機」も用意

　同社では実機導入前に通気乾燥の最適な条件を確認するための「連続式通気乾燥テスト機」も用意している。テスト機はバッチ式が多いが、同機は連続式なので実機により近い形のテストが可能。また、通常の通気式ドライヤーは熱風が一方向からしか当たらないが、同機は一度通過した熱風を庫内で再循環させ2方向から熱風処理できるため、乾燥むらを低減し歩留まり向上につながる。同社は同機の貸与や販売を通じて、サンプル試験の要望に応えていく。