食品加工機を扱うワタナベフーマックが2019年に発売した「ワタナベSライン」は、安全性向上に特化したモデル群で、チルドスライサー(WMU-350S)、冷凍スライサー(WBG-410S)、高速チルドスライサー(WPN-G321S)、高速冷凍スライサー(WPN-A360S)、連続投入筋切り機(WTR-AS)の計5機種から成る。食肉加工現場では機械や作業に熟練していない従業員の割合が高まっており、思わぬ労働災害が多発する傾向にある。そこで、設計・稼働・情報の観点から自社でリスクアセスメントを行い、重度で頻繁に発生する事故要因を「許容不可能なリスク」と位置付け、このリスクを限りなくゼロに近づけることを目指し同ラインを開発した。例えば、危険な箇所に手を入れられないようカバーを設置し、カバーを外すとセーフティーセンサーが働き機械が作動しない。故障した際にも機械が作動しないことで安全性の向上を図っている。同時に、残留リスクなどを詳細かつ具体的に伝える情報開示も行っている。