【連載】180日間営業変革プロジェクト

第4回 一人ひとりの社員の「使命と役割」が明確になる
  
 リレーショナル戦略マップを、一人ひとりの営業マンの視点からさらに俯瞰してみましょう。業績を上げたければ、営業所の設計図を変えなければなりません。多くの人は商品や営業マンのスキルが業績を決めると思っていますが、それは違います。業績は設計図の違いにあります。例えば、最高時速60㎞で設計された車に凄腕のドライバーが乗ってめいっぱいアクセルを踏み込んでも、時速100㎞は出せません。時速100㎞で走る設計になってないからです。昨今、残業などコンプライアンスの問題を多くみかけますが、以前の環境を元に最高時速60㎞で設計された車で、長時間残業をすることで時代が要請する時速100㎞で走ろうと無理をしているのではないでしょうか。市場環境も営業所内部の環境も毎年変わります。猛烈なスピードで変化していると誰もが分かっているわけですから、その変化を踏まえて人が育ち、高い業績があげられる組織風土ができる設計図を作る必要があるのです。
 180日間で作り上げるチームは一人ひとりの営業マンの使命と役割が明確です。顧客と事業に軸足を置くことで利益に貢献すると共に、人の心にも焦点を当てて人が育つ組織風土も作り上げるからです。
 チームマーケティング・セッションをしている時に、「この会場を建築するために設計図は必要だと思いますか?」と質問すると全員が「YES」と答えます。では、「みなさんの理想の営業所を作るための設計図は必要ですか?」ここも「YES」です。では、「ありますか?」ほとんどは「NO」です。あったとしても、会場に例えると、床と壁の設計図はあるけど天井がなかったりしていて、要するに、理想の営業所を組み立てる構成要素が自身の中で明確になっていないことが多いのです。
 そこで、大雑把ですが構成要素を図にしたものが図表5です。前述した2つの論点の①より収益性の高い事業構造を作ることを示しているのが、上半分の顧客別戦略立案と儲けの構
造作り。もう一つの論点である、②チームの力を最大化するのが下半分の問題解決サイクル構築と自己効力感の向上にあたります。
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株式会社アイマム 代表取締役社長
1962年生まれ、大阪府出身。立命館大学経営学部卒。
独立系商社のOA機器法人営業部でトップセールスの実績を残す。その後、人財開発コンサルティング会社にて教育企画と新規開拓営業に従事。
2000年アイマムを設立して独立。「創発するチームづくり」のためにアクションラーニング、マーケティング、マネジメントを統合したプログラム開発や講師、コンサルタントの育成に尽力。2012年「180日間営業変革プロジェクト」を開発。2015年チームマーケティングを提唱。現在、食品・流通・情報通信などの企業に組織開発コンサルティングを手掛けている。
 
 

180日間営業変革プロジェクト
営業所がチームとしてまとまり、業績を上げる職場環境作りのプロセスを解説しています。
営業現場での事例が4コママンガになっており、営業所リーダーや管理職など人を育てる立場の方、必見です。
書籍紹介ページ
 
 
 
 
 

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