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生協特集

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日本生協連「COMベース」進化 効率アップさらに迅速化

日本生活協同組合連合会が活用しているコープ商品の商品仕様書管理システム、COMベースが進化してきた。各事業連合・生協の業務効率向上、組合員への情報提供にも活用してきた。消費者が必要とする情報が多様化するなかで、コープ商品の信頼を高める。

COMベースは日本生協連コープ商品の仕様書を管理するシステムで、品名、原材料名、主要な原料原産地、アレルゲン、メーカー名、工場の所在地、簡単な製造工程、各生協が店舗用チラシ用の画像などの情報を記録したデータベースシステム。1品について印字するとA4の用紙で10ページ以上に及ぶものもあり、約4000品目を網羅する。商品開発担当部署のコープ商品のカウントの仕方が異なっているため、巨大なデータベースだ。

COMベースで管理された商品の仕様書は納入先である各事業連合や生協に送られる。かつては印字した紙、CD-ROM、エクセルなどの表計算などのデータと変遷していた。日本生協連のコープ商品は2007年の「牛ミンチ偽装」、08年の「ギョウザ中毒」と大きな事件が起こり、問題商品の撤去などを迅速に行うために、各事業連合や生協で電子情報管理システムが一気に普及した。

各事業連合・生協は同じシステムを導入したわけではなく、コープさっぽろはアルカナム、パルシステム連合会は独自で、そのほかの事業連合・生協は仕様書を管理するeBASEをそれぞれ活用している。

eBASEも事業連合、生協ごとに微妙に異なっている。「アレルゲンが含まれていない」だけでなく、「同じ製造ラインでアレルゲンが含まれている原材料を使っていない」など事業連合・生協ごとに要求事項が異なる。また日本生協連の独自の商品コード体系に対しJANコードを使用する生協もあり、商品分類も微妙に異なっているため、そのために中継用のeBASEで対応している。

食品メーカーや卸売業者も商品の仕様書も入力できるが、提案まででCOMベース本体のデータを操作できない。原料原産地の変更などデータの記載内容は1ヵ月に一度開かれる日本生協連内の委員会が了承してから変える形だ。同じ商品でも生産ロットごとに変えられない。

日本生協連と各生協・事業連合の商品仕様書の伝達の図



●仕様書の一部をHPで情報公開


日本生活協同組合連合会はギョウザ中毒事件が起きた08年8月にはコープ商品の仕様書の一部をコープ商品のデータベースとしてホームページ上に公開。消費者の安心につなげる。4000品目すべてを網羅する。パソコンだけでなくスマートフォンでも閲覧が可能で、その数は大手小売業を超えている。網羅している項目は消費者の関心がありそうな項目で、納入メーカーが了承したものだけに限定している。

原料原産地は一部の食品で表示が義務付けられているが、「原産地=米国、中国、日本」といった表示は「日本産が優れている」と消費者が思うので、優良誤認を招くとして、食品表示では認められていない。仕様書では規制がなく、日本生協連はホームページ上で原料原産地表示などは商品のパッケージの表示を見るように呼びかけている。

COMベースの今後の改善方向については、使っている事業連合・生協の要望にあわせるとしているが、柔軟に変更できる仕組みの必要性が高いとみている。

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