Presented by 日本食糧新聞社

生協特集

区切り線

安全・安心、サービスを組合員へつなげる 宅配事業で

◆ユーコープ川崎新城センター 毎朝の体操後、短時間に情報共有

体操後の確認事項は多いが、効率よく打ち合わせが進む体操後の確認事項は多いが、
効率よく打ち合わせが進む」

ユーコープの川崎新城センター。月曜から金曜までの毎朝9時15分から体操の元気な声が響きわたる。体操を終えてから当日の仕事の確認作業、9時45分には配送作業に入る。ユーコープが展開する宅配事業、おうちコープの配送前に毎日行われる。短時間の体操で互いの健康状態を確認し、お薦めする商品・サービスの確認、ユーコープで新たに決まった食品の安全性などの知識を徹底していく。安全で安心な商品・サービスを組合員につなげる。組合員にとってみればおうちコープの配送員がユーコープの顔なのだ。

無駄な会議が多いというのは多くの企業に共通する悩みだが、目的の明確化、時間制限で回避ができる。ユーコープの配送センターは労災防止、事故防止、組合員に勧めるべき商品・サービスの徹底、組合員から問い合わせがありそうな課題などの情報共有を短時間のうちに決める。

体操によって体を目覚めさせて、互いの健康状態を確認。これで労災防止につなげ、地域の道路状況の留意点の徹底など危険予知防止訓練(KYT)も含まれる。こうした短時間の会議で発表者を毎回、変えることで人前で話す訓練も兼ねる。

配送員は長期に同じ地区を担当して、組合員と顔なじみになっていく。同じような手法をとっていて2011年の東日本大震災時に東北の生協はお見舞い品を届けることで、被災した組合員が「顔なじみの配送員が来てくれた」と安心につながった。生協の配送員の役割は大きい。


・パルシステムサービスセンター 配送の品質向上へ 窓口一本化、夜間対応も


PSCでは見える化によって効率を高めているPSCでは見える化によって効率を高めている
(写真提供=パルシステム)

配送について寄せられる情報も重要だ。宅配事業で成長してきたパルシステム連合会は、3月に62ヵ所ある配送センターの電話窓口業務パルシステムサービスセンター(PSC)を完全に移管。組合員の配送への疑問、要望などを聞いて配送品質の向上を狙う。

パルシステムは店舗をほとんど持たず、個別配送を中心とした宅配事業で強みを発揮している事業連合。事業連合本部が組合員から受注し、商品調達、商品開発などの業務を行い、事業連合に参加している各生協は組合員の窓口になっている。

商品への意見などを本部が受けているが、配送への意見などは個々の配送センターが受けていた。組合員の要求する時間帯に間違いなく商品を届けるのが配送の業務だが、寄せられた意見などは配送センターにとどまってしまうこともあり、課題を把握しづらく、配送の品質を高める改善につながっていなかった。

窓口の一本化は2011年5月からスタートした。順次、拡大して3月から全センターの窓口を移管し終えた。

寄せられる意見や要望は「急な時間変更」「頼んだものと違う」「別の組合員向けの商品が届いた」などで、これらを一元化することで物流の仕組みなどの改善につなげていく。受付窓口が開いている時間も午後6時までから午後8時までに延長したため、一部で進めている夜間の配送にも対応できるという。

組合員の要望に合わせた配送時間へシフトさせることで、配送員が直接会って手渡しする機会も増加させられることで、組合員が不安に思いがちな冷凍食品などの購入につなげる考えだ。

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