Presented by 日本食糧新聞社

生協特集

区切り線

卸売業と生協の密接なつながり ますます重要に

シーキューブ ティラミスチーズケーキの画像卸売業が提案しているシーキューブ ティラミスチーズケーキ。
デパ地下などで人気のイタリアンドルチェの店
「シーキューブ」監修、こだわりの逸品だ。

食品卸売業と生協は密接な関係にある。生協の厳しい要求に応える商品を提案し、取引先である食品メーカーの工場の衛生管理の確認などに加えて物流の受託などと幅広い。卸売業は多くの小売業や食品メーカーとの関係もあるため、視点を変えて商品を提案するなど競争激化、多様化する小売市場の中で、その地位はますます重要になっている。


・三菱食品 宅配事業の成長サポート

三菱食品は、4社統合で大幅に拡充したフルライン体制をベースに、生協の店舗、宅配双方の事業への取組みを一段と強化する。宅配事業については他の無店舗販売業の進展の影響で伸び悩んでいる現状を受け、販促支援や配送システムの改善、新たな商品提案などでサポート強化へ努める方針だ。

同社は11年に三菱商事系卸の4社統合を完了させ、業界最大の2兆円超の事業規模を確保、食品や酒類、低温、菓子などの主要カテゴリーを包括的に顧客へ提案・供給できる体制を整備した。競合をリードするフルライン機能を武器に、生協に対してもカテゴリーを一括して宅配事業の商品案内のページを買い取って商品提案していく考えだ。

同社の分析によると、昨年度の生協チャネルの販売動向は店舗6%減、宅配1%増と苦戦が続いた。特に宅配事業の伸び悩みはネットスーパーやWeb通販などチャネルが多様化した影響が大きいとし、それに向けた対抗軸確立で生協の事業支援を強化する構えだ。

具体的には、生協の配送センターで配送員向けに新製品などの調理実演を通じた試食やプレゼンを実施し、組合員への効果的な売り込みに役立ててもらう。また個配、共同購入が週1度という配送ペースは他の通販サービスに比べ機会損失につながるとして、配送頻度を上げられる物流システムの提供、支援にも取り組む方針だ。

商品面では高まる生活者ニーズに対応した“即食型”の食材開発・供給へピッチを上げる。すでに「酢豚」などのメニューで生鮮食品を3~4人前にしたキット商材を開発し、販売開始。価格帯は680~780円と高めだが、家庭で炒めるだけの簡便性が支持され、好調な売れ行きという。


・日本アクセス 協働で活性化支援

日本アクセスは、日本生活協同組合連合会(日本生協連)や各事業連合、生協などに冷凍・冷蔵食品、常温流通商品などを幅広く提案していく。生協全体が店舗事業の強化策として考えている生鮮3品プラス惣菜も同社が強みを発揮している分野なので対応していく。特に各地の事業連合、生協などにはNB商品、同社開発の商品も協働の考えで提案、生協の活性化を支援する。

同社の取引先である食品メーカーは和日配、デザート、冷凍があり、冷凍・冷蔵分野に強みを発揮。生協からは「生協ならではの」商品を求められ、対応してきた。常温流通商品でも生協の厳しい要求に応えてきた。

日本生協連のコープ商品については食品メーカーと連携して商品提案し、また日本生協連の要望に合わせてリニューアルを行う。

また同商品は各地の事業連合・生協と統合が進んでいるため、事業連合などにはNBやPB商品を提案していく。

各地の事業連合・生協は簡便性も含めて、生鮮3品プラス惣菜などに力を入れているのでその動きに合わせた商品を提案。肉・魚、野菜などを組み合わせた食材セットなどは一部の事業連合で導入され、10分程度での調理で食べられるようにしてある。

また取引先の一つであるジェイフードが製造するクリームシチュー、肉じゃがなど要冷蔵の袋入り惣菜を提案。生協が求めている惣菜分野の強化への対応策の一つと考えている。宅配、店舗双方の事業に対応できる。


・国分 低温流通分野でチャレンジ 青果卸との連携も

国分は、低温流通を活用して生協の店舗、宅配の双方の事業に惣菜分野の商品を供給を強化していく。

生協が簡便性の高い食品にウエートを置く考えを受けて、強みを発揮している常温流通の食品に加え、力をつけてきた低温流通分野で惣菜などに力を入れる。

同社は、低温流通への進出を後発としながらも惣菜市場はまだ進化の途中と位置付けて、ドライ食品との組み合わせやライフスタイルの提案で伸びが期待できると見る。

国分は2012年10月、全国の有力青果物卸8社と物流や情報、販売などの幅広い範囲に及ぶ業務提携で契約した。農産物分野の強化を狙う。青果卸業とも連携して、単品だけではなく生協からのニーズが高いセット商品、調理キット、下ゆで野菜などについても提案を進めていく考えだ。低温流通商品と同社が強みを発揮している調味料などのドライ商品と組み合わせていく。

消費者の意識は多様化し、簡便性、低価格志向、健康志向、廃棄物削減など環境配慮などが同じ消費者の中に混在している。例えば同じカレーライスを家族で食べる場面でもトッピングを変えたいというニーズがあり、惣菜という商品でそのニーズに応えられると見る。下ゆでした野菜、豚カツ、ハンバーグなどの同時提供で、好みのトッピングの選択が可能となっていく。

そのために単なる「メニュー提案」だけでなく、総合的な「食卓の提案」を視野に入れて商品開発し、生協に提案していく。

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